11月に入ると気温もグッと下がってそろそろ洋服も本格的に冬支度をしないといけなくなりますよね。
衣更えで一気に厚手のコートやダウンを取り出すのも良いとは思いますが、
今年は普段のジャケットや薄手のコートの下に「インナーダウン」を合わせて都会的な冬支度をしてみませんか。
今日は大手アパレル会社に勤務する私が、業界人だけが知っている本当に人気のインナーダウンをランキング形式で皆様にお教えします。
冬のアウターを新調しようと思っている皆様の検討材料にしてみてくださいませ!
因みに私のランキング生地で人気なのがコチラの記事↓↓↓
行き過ぎない、さりげないお洒落に興味のある方は参考にしてみてください。
インスタやピンタレストのスタイリング例も取り入れた記事にしてみたのでお買い物の参考にしてみてくださいませ。
それではスタート!
ランキングの前に理想的なインナーダウンの着こなし方
ファッション的にも機能的にも、なるべくならインナーダウンの上から何かを着るようにするのがベストです。
機能面では、インナーダウンの上に一枚何かを羽織るだけで、防風性能が高まり、
インナーダウンに蓄積させれた暖かい空気が風で飛ばされてしまうのを防いでくれるという効果があります。
暖かい空気が逃げない分、より快適に暖かく入れるというわけですよね。
ファッション面では、いつもの着こなしにインナーダウンを一枚合わせるだけで、
着こなしのアクセントになって、自分をいつもよりもお洒落に見せることが出来ます。
ジレ(ベスト)タイプはビジネスシーンでも使える優れもの
インナーダウンと聞いて一番最初に思い浮かべるのはベストタイプのインナーダウンではないでしょうか。
ジャケットの下に一枚合わせるだけでいつものスーツスタイルが格段にお洒落になりますし、
外回りの時などは暖かくすごすことが出来るんですよね。
pinterestから転載しますが、理想的なインナーダウンのスタイリングはこんな感じ↓↓↓
モデルがカッコ良すぎる説もありますが、
インナーダウンを買う際のスタイリング案として念頭に置いておくといいかと思います。
袖付きブルゾンタイプはオトナカジュアルに着こなすと上品に仕上がる
コートの下に着ることによって上品な見た目に仕上がるのが袖付きブルゾンタイプのインナーダウンです。
「これこそは!」というお手本スタイルとして
お洒落インスタグラマーの写真をご紹介させていただきますとこちらのかたのような感じ↓↓↓
一枚仕立てのコートの下に忍ばせる感じの着こなしがカッコいいですよね。
薄くて少し寒く感じてしまうステンカラーコートやトレンチコートに合わせて着るのがベストですね。
ジャケットに合わせるようなビジネスシーンでは取り入れにくい袖付きのインナーダウンですが
お休みの日、お洒落な大人カジュアルとして取り入れるなら、品よくスマートに決まります。
憶えておきたい「フィルパワー」と豆知識
インナーダウンのみならず、ダウン製品全般を購入する際の基準値として
「フィルパワー」なるものがあります。
耳慣れない方もいるかもしれませんが、羽毛自体の反発力を表す数値なんですね。
フィルパワーについては素晴らしい説明が(株)デサントさんのホームページに載っていましたので転載させていただきますと↓↓↓
フィルパワーとは羽毛のかさ高性を表す数値です。
羽毛1オンス(28.4g)のダウンをシリンダー内に入れ、一定荷重を掛けた時の膨らみ度合いを立法インチ(2.54cm立法)で示します。
800フィルパワーとは、1オンスの羽毛が800立方インチの体積に膨らんでいることになります。
フィルパワーの数値が大きいほど空気を多く含んでおり、大量に含まれる空気の断熱効果によって保温性に優れ、暖かく良質なダウンといえます。
一般的に、500フィルパワー以下は低品質ダウンであり、600~700フィルパワーが良質ダウン、700フィルパワー以上は高品質ダウンといわれています。
フィルパワーが大きいと、同じかさ高さ(容積)のダウンが、少ない量のダウンで作ることができるため、軽いウェアとなります。
と分かりやすい内容でまとめられています。
では、どうしてフィルパワーの大きなダウンと小さなダウンが生まれるのでしょうか。
例えばダックダウンの場合。
食用にするアヒルからダウンを採取している現状があるのですが、
中国産のダックダウンの場合、食用化するまでの期間(アヒルの成熟度)がかなり短く、
まだアヒルが育ちきる前に食用にされてしまうので、そこでとれる羽毛(ダウン)も小さなものになります。
なので中国製のダックダウンの場合、他の国で育った同じ品種のダックダウンよりもフィルパワーが小さいものが大半です。
同じダックダウンでもベトナム産だと食用化されるまでの期間が中国よりも長いためフィルパワーが大きくなります。
このフィルパワーの大きさはダックやグースの成長度によって大きく左右されます。
羽毛(ダウン)自体の構造は品種が変わったとしても殆ど変わりません。
よって保温性も変わらないと言えます。
ですので「グースダウンだから性能が良い」とか「ダックダウンだからまあまあ」ということは無いといえます。
よってダウンの保温性能を比較するのに大切なのはフィルパワーだということになります。
ダウンとフェザーの混率は耐久性の面でも大切な数値
ダウンブルゾンのクオリティーを比較する際にもう一つ大切な指標があります。
それはダウンとフェザーの割合です。
「ダウン80% フェザー20%」など品質ラベルに記載されているのですが、いったい何の割合なのでしょう。
それは簡単に言うと「純粋な羽毛」と「芯が少し混ざっている羽毛」の割合です。
ダウンは純粋な羽毛なので固い部分が全くなく柔らかいのが特徴です。
フェザーは羽の芯の部分が混ざっているので少し硬く、ダウンジャケットの上から触ってみると少しコリコリするのが特徴です。
フェザーの率が高いダウンブルゾンの場合、ブルゾンの表面生地の細かな隙間からこのフェザーの固い部分が飛び出してくることがあります。
このようなことをダウンの「毛羽抜け」といいます。
抜いてしまえば生地も元通りになることが多いので問題ないと言えばないのですが、
表面からピョンピョンと羽毛が見えているダウンブルゾンやベストってカッコ悪いですよね。
そのようなことを避けるためにも、購入の際にはこの「ダウン・フェザーの割合」についても確認したほうが良いでしょう。
表地の厚さや、ダウンブルゾンの構造によっても適正な「ダウン・フェザーの割合」は変わってきますので一概には言えませんが、
私は、なるべくならばダウンが80%以上のものを選ぶようにしています。
クオリティーの高いアウターを奇麗に大切に着る。そんなことを心がけています。
実は用チェックポイント→軽さと扱いやすさを追求した構造と表地
フィルパワーとダウン・フェザーの混合率のお話をしてきましたが、
この二つの条件が良いときのみ、成しえる構造があります。
通常のダウンブルゾンは、ダウンの羽毛を挟んで4層の構造になっています。
表側から
1・表地
2・ダウンの吹き出しを防ぐための特殊な生地
ここにダウン(羽毛)が入って
3・ダウンの吹き出しを防ぐための特殊な生地
4・裏地
となっています。
この構造だと生地が重なりすぎていてダウンブルゾン自体が重くなりがち。。。
もちろん用途によってはこの通常構造のダウンが便利な場合もあります。
防寒用に特化してコートの代わりに使うダウンブルゾン、たとえばカナダグースとかがそうですよね。
ただ、先に記載したフィルパワーとダウン・フェザーの混合率が好条件がそろった時は
ダウンブルゾンの構造が替わり、吹き出しを防ぐための生地を中に入れずに下のような構造でブルゾンを作ることが出来ます。
1・表地
ここにダウン(羽毛)が入って
2・裏地
という感じですね。
中に挟む記事が無くなる分、びっくりするほど軽いダウンブルゾンが出来上がります。
さらにここでダウン・フェザーの割合が、大体90:10以上になってくると
軽さを追求して表地を思いきり薄くすることが出来ます。
そうなると生地自体がもっと軽くなるので恐ろしく軽い商品が出来上がるんですよね。
下のランキングの商品はこのように構造や生地にまでこだわった商品たち。
今年の冬こそファッショナブルに、快適に過ごしたい。
そんな方にオススメの商品たちです。
ランキング!5位から順番にカウントダウン
ここまで来てやっと本題。
上に書いてきたウンチク通りにちゃんとこだわりぬいて作られた商品ってお金を出せば意外といろいろ選べちゃうんですよね。
でも、ファッション的に良しとされているものって意外と選びにくいのではないでしょうか。
種類がありすぎますよね。
そこで、我々アパレルの世界に席を置く者たちがだけが知りえる、
ファッショナブルに使えて人気のインナーダウンをランキング形式でピックアップしてみましたよー!
5位 patagonia
インナーダウンの先駆けと言えばパタゴニアのダウンセーターです。
各社がこのパタゴニアのダウンセーターを参考にして商品を開発することで、インナーダウンというカテゴリーが出来上がったといっても良い、言わばインナーダウンの元祖と言って良い商品です。
発売以来、毎年少しずつアップデートを重ねて今年もいままで最高のクオリティーに仕上がったパタゴニアのダウンセーター。
ファッション的にもパタゴニアのダウンセーターを着用している人を見ると
「あの人、わかってるな!」
的な印象を与えることが出来ます。
それもそのはず、ブランドイメージがお洒落なうえに、
全重量371g、ダウンには800フィルパワーのグースダウンを使用しており性能面も最高峰のダウンなんですよね。
カジュアルシーン:☆☆☆☆
ビジネスシーン :☆☆
性能面 :☆☆☆☆
ということでパタゴニアのダウンセーターはランキング5位にランクインです!
4位 THE NORTH FACE
アウトドアブランドの雄、ザ・ノースフェイスのインナーダウンも負けてはいません。
とにかく機能性に富んだダウンなうえにデザインも秀逸で、ブランドイメージも非常に良いのがザ・ノースフェイスですね。
ザ・ノースフェイスの上位ラインのTHE NORTH FACE PURPLE LABELのインナーダウンは毎年セレクトショップ各社から別注商品が発売されるほどの大人気のブランドです。
今回このランキング4位に入れる
ウィンドストッパーゼファーシェルカーディガンはデザインこそカジュアルに特化していて着用シーンは限られますが、
表地には「GORE®WINDSTOPPER®インサレーテッドシェル」という超高性能な生地を使用することで、
外気の寒い風は通さず、ブルゾン内側のムレは外側へ放出するという特性を持たせています。
ダウンには「光電子®ダウン」という遠赤外線の効果を利用したダウンを使用し暖かさも抜群。
重量については驚愕の295gという驚愕の数値を実現しています。
ファッション感度と機能性を併せ持ったザ・ノースフェイスのインナーダウン。
皆様も試されてみてはいかがでしょうか。
カジュアルシーン:☆☆☆☆
ビジネスシーン :☆
性能面 :☆☆☆☆☆
3位 HERNO
ビジネスシーンでも上品にきまるので、イタリア初のアウターブランド「ヘルノ」のインナーダウンが人気です。
もともと有名メゾンのアウターを受注するコート工場のファクトリーブランドとしてスタートした「ヘルノ」ですが、
いまではイタリアを代表するアウターブランドとなっています。
このところ毎年冬になると高級セレクトショップが「HERNO」のロゴと一緒に各種ダウンを打ち出しているのでご存知のかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
この「HERNO」からは、ジャケットのインナーに合わせるために生まれたと言って過言ではないインナーダウンジレの紹介です。
ここまでで紹介してきたインナーダウンとは明らかに違うアプローチ、着用シーンのこのダウン。
機能面では本格アウトドアブランドたちからは劣るとしても、デザイン面での抜きんでたスタイリッシュさで、洗練された大人たちから絶大なる支持を得ています。
メンズだけでなくレディースも大人気の「HERNO」です。一着もっているだけで女性からの支持も獲得できること間違いなしの逸品です。
カジュアルシーン:☆☆
ビジネスシーン :☆☆☆☆☆
性能面 :☆☆☆
2位 WESTERN MOUNTAINEERING
第2位は知る人ぞ知るアウトドアブランドのウエスタンマウンテニアリングのダウンベストです。
アウトドア好きな方以外では、ファッション業界に身を置かないかぎり、ほとんど耳にしないであろうこのブランド。
もともとは35年前に生まれたアメリカのアメリカのスリーピングバッグ(寝袋)ブランドだったのですが、
時代々々の最良をもとめ進化することで今のアウトドアブランドの姿へとなりました。
このダウンベスト、厚ぼったく見えるのですが、ジャケットの下に着ると意外とサマになります。
見た目の厚そうな感じはダウンが良質な証。
柔らかく柔軟なダウンは、ジャケットのインナーに着用することで程よい厚みまでつぶれてくれて
丁度この記事の上のほうに載せたジャケットの下にインナーダウンを着たメンズモデルさんのようなスタイリングに仕上がります。
アメリカのアウトドアブランドだというのにジャケットにも合わせられる使い勝手の良さが人気の秘密。
その重量も驚愕の140g、着ていることを忘れてしまうほどの軽さです。
「あの人、知ってるな~」感を出しながら、カジュアルはもちろん、ビジネスシーンでも使えるウエスタンマウンテニアリングのインナーダウン。
今年も在庫切れの恐れがあるので、興味がある方はお早めに。
カジュアルシーン:☆☆☆☆
ビジネスシーン :☆☆☆☆
性能面 :☆☆☆
ということでウエスタンマウンテニアリングのダウンベストはランキングの2位としてご紹介させていただきます。
1位 mont-bell
第1位はブランド設立から40年を経て、あらためていま人気沸騰中のモンベルです。
こちらのモンベル、日本発祥のブランドだということを知っておられるかた、いらっしゃいますでしょうか。
1975年に大阪市で生まれ、今では日本発のアウトドアブランドとして世界中で認知されています。
このモンベルのスペリオダウンラウンドネックダウンはアウトドア好きの方が本格的に山で使用するためでなく、
ファッション業界ではカーディガン代わりにオフィスで着用したり、ジャケットやコートの下に着用したりと、
機能美とファッション性が受けて大人気になっています。
このインナーダウンで驚きなのが、なんと3年間の保証がついていることです。
モンベルでは800フィルパワー以上のダウンを「EXダウン」とよび3年間の修理・メンテナンスを受けることが出来ます。
さらには、表地には超耐久撥水加工が施されており、撥水性能が持続するのもありがたいところです。
シンプルで何にでも合わせやすいインナーダウンで、
カジュアル、ビジネスの両シーンにも対応できますし、
アウターとしても一番外に着ても超耐久撥水加工が雨をはじいてくれるので非常に機能的です。
なおかつ!ここまで紹介してきたインナーダウンと比べて機能やデザイン面で劣る部分が無いのに、驚くほどリーズナブルだという驚愕のコストパフォーマンスを実現してくれています。
毎年12月くらいになるとサイズによっては在庫がなくなることも多いので、まだ持っていない人は早めに買っておきましょうね。
カジュアルシーン:☆☆☆☆
ビジネスシーン :☆☆☆☆
性能面 :☆☆☆☆
まとめ
人気のインナーダウン、参考になりましたでしょうか。
お持ちのコートやジャケットに合わせて寒い冬を乗り切りたいですよね。
軽くて暖かなインターダウンで冬のお洒落を楽しんでくださいね。
もし、インナーダウンだけでは物足りないとおっしゃる方がいらっしゃいましたらこちらの記事も見てみてください↓↓↓
冬本番をお洒落に乗り切れるアイテムを紹介させてもらっています。
それでわ!
本日もありがとうございました。
コメント